34人が本棚に入れています
本棚に追加
「う~…キノ~‥寒い。」
「エルメス……僕のほうが寒いさ。」
曇りの無い夜空の下を、モトラドが走ります。
いつもよりスピードを落とし、時々空をチラチラ見やるキノと呼ばれた運転手にエルメスは『天気は崩れないよ』と告げる。
「いや。星だよ――流れ星さ」
「へぇ~………あっ!!今流れた‥気がする~」
気がするとか止めてよ、とハンドルを叩くキノ。
「エルメス…『人が死ぬ時に星が流れる』って言う人もいるよね?」
「いるね。それが?」
「じゃあ…戦いが起きたら堪らないね」
世界のあちこちで星が降るのが見られる――
「そうかもね~……一つくらい落ちてこないかな♪」
「落ちてきたらエルメスなんて凹んじゃうね。…あっ!流れた」
「うそだぁ~!!」
「嘘じゃないよ~…また流れるかも。」
エンジン音に負けない1人と1台の声が、夜空の下を駆け抜けます―――
最初のコメントを投稿しよう!