コンビニから始まる

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柳千里(17) 高校3年生になって、初めて恋をしました。 ☆☆☆☆☆ 「100円が一点……」 私、柳千里はコンビニ店員の須藤渡さん(19)に恋をしました。 そして今日も、私は渡さんに会うためにコンビニに通います。 私が今手に入れている情報は… ・渡さんは大学1年生(通っている大学はリサーチ済み) ・彼女いない歴、年の数 ・この近くに住んでいる の3つだ。 …正直、少ない。だからこそ、私はコンビニに通っているのだ。 「合計で532円になります」 「あ、はい」 解説をしていたら、終わったみたい。 私は急いで財布からお金を出した。 「ありがとうございました」 そう言って渡さんは爽やかな笑顔を私に向ける。 あぁ、今日もこれで帰るのか…。 なんて、憂鬱な気分になってると…。 「あ、ちょっと待って」 渡さんに呼び止められた。 「はい?」 私は出口に向かうのをやめて、渡さんを見た。 「はい、これあげる」 そう言って渡されたのは、渡さんの大学の大学祭のお知らせだった。 「これ…」 「君、青空高校の生徒でしょ?よかったら来て。裏に俺の出してる模擬店の場所、描いといたから」 私が驚いてチラシを見ていると、渡さんはそう言った。 「え?」 「いつもここのコンビニ使ってくれるお礼に奢るからさ。絶対来なよ」 「え、え?」 「じゃ!」 私が混乱しているのをよそに、渡さんはレジに戻っていった。 「…」 私は貰ったチラシを呆然とながめることしか出来なかった…。
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