0人が本棚に入れています
本棚に追加
☆☆☆☆☆
「あ、いた…」
私の目の前には、渡さんがいる。
模擬店は『焼きそば屋』みたいで、渡さんは焼きそばをちょうど作っているところだった。
「あ!やっと来た!」
渡さんは私に気付いたようで、持っていたコテを振ってそう言った。
「こんにちは」
「こんにちは」
私が近くに行って挨拶をすると、渡さんも挨拶を返してくれた。
「ちょっと待っててくれる?今交代するから。大学案内してあげる」
そしたら渡さんは、そう言うと、着けていたエプロンを外し始めた。
「え?そんな、お構い無く…」
「いいの、いいの。さ、行こうか」
私がおろおろしていると、渡さんは笑って準備を終えた。
そして、私に手を差し出してきた。
「はい!」
私は元気よく返事をしてその手をとった。
最初のコメントを投稿しよう!