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「ふぅ…。どうにか間にあったな」
雷胴の体育館の入口で新入生案内の冊子(クラス分けと学園内の地図が書いてある)を受け取りながら、隣で息を整えている鈴に言う。
「そう…だね…」
息を切らしながら鈴が言う。
息が切れてるのはここまで走ってきたからだ。
それにしてもデカい学園だなぁ。
辺りを見回しながらそんな事を思う。
「要ちゃん?どうしたの~?入んないの?」
鈴、回復が早いな…。
「わりぃわりぃ。ぼおっとしてたわ。さっさと入ろう」
鈴にそう返し体育館へ入る。
冊子によればクラス毎に列を作るみたいだ。順番は適当でいいらしい。
「鈴、何組?」
鈴は藍沢だからこういうのはすぐにわかる。
「二組だよ~。要ちゃんもいっしょだよ♪」
満面の笑みで鈴が答えた。
うわぁ……。他の男子がこれ見たら絶対いちころだな…。俺はもうなれてるから理性が勝つけど。
実際、視線が痛いし…。
「じゃああの列だな。ほらっ、行くぞ」
なぜか真逆に行こうとした鈴の手を握って列へと向かった。
「……」
鈴が急に静かになった。
若干顔が赤くないか?
「どうかしたのか?」
「ううん。何でもない♪それよりほら、何か始まるみたいだよ♪」
鈴の指差す方を見てみると、ステージに教員らしき人が上っていた。
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