突然

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高校生一年生。 決して頭も良くなかったけど、友達はたくさんいた。 自分で言うのもアレだけど、凄く明るくて、昔から人気者だった。 でも相変わらず、お父さんとはあまり会話してなかった。 反抗期?違うよ。 お母さんと、俺達兄弟を裏切ったお父さんを偏見の目で見てただけ。 お父さんその頃、仕事してたっけ? いつも家にいたような。 本当にダメなお父さんやった。 でもあの事件以来、一生懸命お父さん許して欲しいのか、異常に優しくて、たいして楽しくない話を頑張って話してた。 俺達の事が昔から大好きっていうの知ってたから、話さなくなって寂しかったんだろうね。 でも許さなかった。 今思えば、後悔ばかり。 もっとお父さんと過ごせたのに。 会話出来たのに。 高校二年生の夏。 お父さん、体調不良で病院に。検査。 病名は、直腸癌。 一度目の病気との闘いが始まった。
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