十五夜

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黒いウサギは月を見上げながら一生懸命跳びはねます それでも白いウサギは知らんぷりで月の中を跳びはねています 黒いウサギは悲しくなりました するとその時 黒いウサギは体が宙に浮く感覚を覚えました どんどん丘が小さくなっていきます 背中が痛いので見上げるとタカが黒いウサギを大きく鋭い爪で掴んでいるのでした 黒いウサギは自分がこれからどうなってしまうのかを知り 涙が出てきました 涙をいっぱい浮かべた目で黒いウサギは月を見上げました 月は丘で見たときよりも大きく 白いウサギは驚いた様な顔でこっちを見ています 黒いウサギは涙が止まりません 白いウサギが自分を見てくれたことが嬉しくて 白いウサギは黒いウサギと目が合うことができた それだけで幸せだったのです
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