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「あのっ、”魔女”に会わせてください・・!」
唐突に吐かれた言葉。
その瞬間、穏やかな空気は張り詰めた空間へと変わっていく。
ただその一言しか用意していなかったのか、伊織はそれ以降の言葉を紡ぐ事をしない。
それに見兼ねたのが晶である。
「―――・・誰から聞いた」
鋭くも細い目が伊織を突き刺し、その威圧感に身を震わせながらも彼は本当の事だけを述べる。
「・・、叶先輩です。北斗会長に相談すれば会わせてくれると・・」
「はん、本家魔女が何言ってやがる」
苦笑じみた皮肉で一蹴する頃、蘭は背後の本棚から一冊のファイルを取り出しては一枚のページを探り当てていた。作られたファイルの題名は『要注意人物リスト』である。
その中に、山北伊吹の項目があったのだ。
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