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「おま、え…」
「ん?意外か?話術ぐらい嗜(たしな)んどらんと牧師は務まらんのや」
先程弾かれた勢いで飛ばされた煙草を拾えば、そのまま再び口で加える。
その先端に火をつければ、僅かな深呼吸の後に口からは紫煙が吐き出されていった。
「ハニーの事や、これまでどんだけ『悪人』を演じたんや?」
「お前っ、気づいて…」
「あ、せや!さっきの平手打ちの借りを返してもらわんと♪」
してやられた晶はその策略に驚いてみるが、その牧師はといえば突如明るい雰囲気でそんな事を言い出だす始末だ。
「わ、悪かったよ、あれはつい―――」
「キス一個で手ぇ打と♪」
どぐしゃっっ
「この煩悩牧師!!!!」
晶の会心の一撃によって、耶蘇は地面にめり込む事となったのであった。
見れば後頭部にでっかいタンコブすら出来ている。
「…っ、一応…っ!礼は言っておくからなっ!」
耶蘇に沿うようにしてその地面に座り込めば、気絶しているらしい耶蘇に近づいて小さな声を漏らした。
それはとてもとても、不器用に。
「…ありがと、な」
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