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「与えられたモノしか俺は受け入れちゃなんねぇんだ。…『忌み子』だからな」
金を与えられても、その使い道は与えられていないから抵抗がある。
だから晶にとっては武具や武器といった実用性のあるモノの方が何かと都合がいい。
牧師である耶蘇には全てが不憫にしか思えないのも道理に適った話である。
「それより牧師さん、さっきの技は――」
「ああ、結界の事かいな?」
魔物を誘き寄せる役目を無事果たした蘭は、先程の『光の壁』について聞いていた。
「ワイら『外』におる牧師や神官はな、聖なる地脈の力を使て魔物が立ち入れん領域(テリトリー)を創り出す事が出来るんや。ま、ハニーが言うには低級結界らしいねんけどな」
蘭は先程の事を思い出す。
光の壁――『結界』を展開した瞬間に、魔物はその壁以上にこちらに入れなくなった事を。
「唯一の弱点は、神聖なる地脈の側でしかあの技は使えんっちゅう事やねんけどな。ま、この都市は魔女が住むいうぐらいやから聖脈は腐る程あるんやろな」
魔女伝説である魔女が作り出した大陸都市、内の世界。
その子孫であり正統後継者の血を受け継いだ晶を瞳に映しても、その本人はぶっきらぼうに答えるだけだった。
「過去の事なんか知るかよ。魔女由来の場所はいくつか残ってるのは事実だが、俺はその地で力が加算されるワケでもねぇ」
「じゃぁ、牧師さんって凄いんですね」
「なんや、今更ワイの素敵さに気づいたんかいな~」
軽快な笑い声で場を明るくする耶蘇である。
「言っておくがな、牧師。この都市に住む魔女は俺じゃねぇ。『魔女』と一括りするならば、3人いる事にはなるがな」
『災いの魔女』である叶みゆき。
『護る魔女』である晶。
そしてその血を受け継ぐという点でいえば、晶の双子の妹・佳由もその一人となる。
3人の魔女。
だがその3人の魔女の方針はそれぞれ異なっては全く別の物を求めている。
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