第一話:二人の魔女・二人の継承者

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それは遥か昔な『魔女伝説』だった。 悪霊・獣・魔物・野獣・魑魅魍魎。 血と肉を鬩ぎ合う狂乱の世の中に一切として光は存在しなかった。 そんな狂乱の世界に突如として舞い降りた光は自らを『魔女』と名乗り、絶望の縁で生き永らえる人々はそれを受け入れる。 ――――どのような方法で、具体的にはどのように? そんな基本的な情報は伝承の一言で隠されてはいるものの、その一連の話は『魔女伝説』として語り継がれ、この世界に知らない者はいないだろう。 だが。 伝説は伝承になり、伝承は事実として世界に生きる。 結界によって守られた都市、結界の中で生きる世界。 絶大な力を誇る結界は邪悪な力を根こそぎ退け、それ故『外の世界』と『内の世界』として分けられた。 だからこそ、その世界は『一つ』として世の中に在ったのだ。 人々の中で『世界』は『都市』であり、『都市』は『世界』。 この世にはこの都市だけが存在するのだと、何千年もの時の中でそんな常識で成り立つようになっていた。 その中でも、『学園都市』と言われる程に世界の中心核を占める学校が内の世界の中央に位置している。 その名は『学園都市・鳳凰学園』――――
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