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そしていつもの日常だとばかりに、手に抱えた大量の書類を『会長』の机の上に豪快な音と共に置いては「次の仕事です」と催促した。
そんな頃に、扉の向こうで黄色い声が飛び交っているのを耳にする。
『きゃ――――っ!!北斗様と喋っちゃった―――ッ!!!』
『アンタFANクラブの奴らから殺されるわよッ!!??』
「・・ほら、黄色い声が」
いつもの事だと言わんばかりの態度だが、当の『会長』は頭を抱えてはボヤくしかない。
「あったまいてー・・」
「流石、女生徒から人気がありますね、会長。でも・・・」
蘭の可笑しそうな、そのくすっと笑う声に気づいたのか、『会長』と呼ばれる人物はまた椅子を動かしては正面を向く。
「女の子なのに」
椅子に乗ったまま振り向いた姿は、太腿まで長い黒ソックスを穿いたスカート姿。
制服である短いスカートを穿いていても、大概が『男』だと言われるか、さっきのように『男っぽくて恰好いい』と女生徒の憧れの的になるかのどちらしかない。
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