~序曲~

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たくさんの黄色い歓声の中、ライトに照らされ、俺は今夜もステージに立っている。     人気ロックバンド『SPAIRAL(スパイラル)』のヴォーカルSEIYA(セイヤ)が今の俺。     ずっとライブ活動をしていたが、ある日大手レコード会社にスカウトされ、CDデビューをした。     そのCDがヒットし、今やSPAIRALは若者のカリスマ的存在となった。     そんな俺の物語。       俺が生まれた時、父親はもうこの世にはいなかった。     母親は銀座一、いや今や日本一のクラブのママをしている。     母は仕事をしながら俺を育ててくれた。     夜に出かけていく母は、その分昼間、たくさん俺と遊んでくれた。     物心ついた時から、父親のように接してくれたおじさんと五歳の時、母は再婚した。     それからは何不自由なく俺は育った。     父も母も十分に愛情を注いでくれた。     高校生になった俺は音楽に目覚めた。     将来は亡き父の会社を継ぐことを言われてきたが俺は、違うことに夢を持ち始めていた。     音楽の道に進みたい。     そんな俺に対して母は決して反対はしなかった。
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