第1章 狙われた男

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「林君、そろそろ写真見せなさいよ。私たちはそれが目当てで来てるんだから。ねっ、飛高君?」 「えっ、あっ、はい、まあ」  徳永さんから急に話題をふられた俺は、しどろもどろに答えた。 「分かりましたよ。今持ってきます」  そう言って尚久さんは席を立った。 「真理子ちゃん、今日は子供たちはいないのかい?」 「ええ、明日の祝日、私が同窓会で出かけるので実家に預けたんです。帰りに連れて帰ろうと思って」  真理子さんは須賀さんの問いに愛想良く答えた。 「へえ、じゃあ今夜は夫婦水入らずってわけだな」 「はい、久しぶりにのんびりできそうです」
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