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ピンポーン
「はい、どちら様でしょうか?」
インターホンから聞こえてきたのは、落ち着きのある女の人の声だった。
「北川ですけど」
「少々お待ちください」
ガチャ
「いらっしゃい、どうぞ中へ」
ドアを開けてロングストレートの髪を後ろで1本に束ねた穏やかな顔つきの女性が出てきた。
「おじゃまします」
「皆さんお待ちかねですよ」
俺と北川はリビングに案内された。
「あなた、北川さんがお見えになりましたよ」
「あれ、君は弟の裕史君じゃないか」
「尚久さん、ご無沙汰してます」
「やあ、元気だったかい?」
「はい、実は兄が急用で来られなくなりまして。それで、僕が代役で来ました。この度は受賞おめでとうございます。これは心ばかりのお祝いです。どうぞお納めください」
「気を遣わせてしまって悪かったな。ありがたく頂戴するよ。そうか、あいつ用事が出来たのか、残念だな」
「兄もとても来たがっていたんですが。よろしく伝えてくれと言ってました」
「まっ、しょうがないか。遠慮せずゆっくりしていってくれよ。ところでそちらは?」
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