第1章 狙われた男

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「あっ、すんません、須賀係長」 「ここにいるのは全員同じ職場で働いてる人たちなんだ。そんで、今のごっつい顔の人が須賀俊治係長。普段はそうでもないけど仕事となると厳しいんだぜ」  尚久さんは最後の言葉を小声で言った。 「聞こえとるぞ林」 「いやあ、聞こえちゃいましたか」 「林、これからもビシバシ扱いてやるから覚悟しておけ」 「あはは、で、こちらは徳永香さん(30)」 「お兄さんとはよく飲みに行くのよ」  そう答えたのは、セミロングに少しソバージュをかけた髪型の女性だ。 「そして、こっちの眼鏡をかけたのが菊地広美さん(25)」 「よろしく」  菊地さんはそう言いながら、ぺこりと頭をさげた。 「そして、妻の真理子(27)」 「今日は主人のためにわざわざご足労いただいてありがとうございます。みなさん、ゆっくりしていって下さいね」
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