第1章 狙われた男

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「どうした、北川、大丈夫か?」  俺は心配して、直ぐ様視線を北川に向けた。 「大丈夫、大したことない。砂糖入れすぎてむごくなっただけだから」 「脅かすんじゃねえ!」 「わりー、わりー」 「直ぐに入れ直してきますね」  「あっ、すみません」  真理子さんは北川のカップをお盆にのせてキッチンに移動した。 「飛高君、砂糖使わないの?」  俺の隣に座っている徳永さんが話し掛けてきた。 「ええ、俺コーヒーブラック派なんで」 「だったら、貰っていいかしら」 「どうぞ」  俺は砂糖を徳永さんに渡した。 「ありがとう」  徳永さんはそう言って、砂糖をカップに注いだ。 「お待たせしました」  真理子さんが新しく入れ直したコーヒーを運んできた。 「どうもすみません」 「いいえ、熱いので気をつけて下さいね」 「はい」
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