~ボブとカトリーヌと時々オレ~

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ボブが物心ついた頃から父親はいなかった、母親と母親の両親と日本で暮らしていた。 母親は明るく父親がいないことで不憫な思いをしないよう ボブには溢れんばかりの愛情を注いでいた 祖母と祖父も同じくらいボブをかわいがった。 家庭に不自由はなかったが、ボブは外の世界が嫌いだった。 ボブの暮らしていた所は山に囲まれ、田舎だったが まわりの人々はボブの家庭と距離をおいていた…人種差別。 その言葉がぴったり当てはまるほどの扱いだった。 ボブが小学校にあがると、すぐにイジメが始まった。 黒人だからと顔に白いチョークで落書きされ 教科書はマジックで黒く塗りつぶされた 上級生に殴られる事もあった。 教師でさえ見て見ぬ振りをしていた しかしボブは耐えていた、何か言えばまた殴られる、と思っていた。 抵抗さえしなければ飽きてやめてくれるはず 母親にさえ何も言わず耐え忍んでいた。
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