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魔法は二年前、いきなりとある人間が使えるようになり、それからも『いきなり』が続き、今に至る。
そして『魔王』が現れたのはそれから二年後、つまり現在から少し前。
夕方、収録されたテレビ番組が放送されている最中、その番組を流していた場所(日本でいうテレビ局)が襲撃され、テレビ画面に四人の姿が映った。
「初めまして」
青いフードに身を包み、赤い鬼の仮面をつけた者が言った。
「私は“魔王(まおう)”」
そして後ろにいる、赤色の戦闘服に白いマント、青い鬼の仮面をつけた者を指差した。
「彼は“無音の響き手”」
“無音の響き手”は一歩前に出る。
「どうも。“無音の響き手”です」
一礼し、一歩下がる。
次に同じく後ろにいる、黒い戦闘服に黒いマント、黄色い鬼の仮面をつけた者を指差した。
「彼は“幻の討ち手”(まぼろしのうちて)」
“幻の討ち手”は一歩前に出る。
「“幻の討ち手”だ」
それだけ言い、一歩下がる。
「最後に」
“魔王”は同じく後ろにいる、真っ黒いフードに身を包み、白い鬼の仮面をつけた者を指差した。
「彼女は“魔王の右腕(まおうのみぎうで)”」
“魔王の右腕”は一歩前に出る。
「ボクは“魔王の右腕”」
一礼し、一歩下がる。
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