~一年目~

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      * 魔法は二年前、いきなりとある人間が使えるようになり、それからも『いきなり』が続き、今に至る。 そして『魔王』が現れたのはそれから二年後、つまり現在から少し前。 夕方、収録されたテレビ番組が放送されている最中、その番組を流していた場所(日本でいうテレビ局)が襲撃され、テレビ画面に四人の姿が映った。 「初めまして」 青いフードに身を包み、赤い鬼の仮面をつけた者が言った。 「私は“魔王(まおう)”」 そして後ろにいる、赤色の戦闘服に白いマント、青い鬼の仮面をつけた者を指差した。 「彼は“無音の響き手”」 “無音の響き手”は一歩前に出る。 「どうも。“無音の響き手”です」 一礼し、一歩下がる。 次に同じく後ろにいる、黒い戦闘服に黒いマント、黄色い鬼の仮面をつけた者を指差した。 「彼は“幻の討ち手”(まぼろしのうちて)」 “幻の討ち手”は一歩前に出る。 「“幻の討ち手”だ」 それだけ言い、一歩下がる。 「最後に」 “魔王”は同じく後ろにいる、真っ黒いフードに身を包み、白い鬼の仮面をつけた者を指差した。 「彼女は“魔王の右腕(まおうのみぎうで)”」 “魔王の右腕”は一歩前に出る。 「ボクは“魔王の右腕”」 一礼し、一歩下がる。
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