甘い蜜

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甘い蜜

 『レイコちゃん…バイトないかなあ』    まもなく春休みに入るというある日  アタシはレイコに事情を話した    『ん~ここらへんはバイトする店も  ねえじゃん』    たしかにバスで50分かけないと  街には着かない    『あんたガクチューだからゲンチャリ  もないし~もう一年だけ我慢しな』    (一年…長すぎるよ)    そんな時  レイコの友達のヤスが    『あるじゃん手っ取り早いやつが』    週刊誌をめくりながら言った      『ヤスッ』    レイコがヤスにすごい剣幕で  怒鳴った    『レイコちゃん、  何かいいバイトあるなら教えてよ』    『ないから!この話はおしまい』    詰め寄るアタシの  目を見ずに言った    (なんかあるんだ)    アタシはヤスが帰るのを見計らって  家に帰るふりをして  後を追い掛けた    
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