1章

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繁華街から 少し離れた 雑居ビルの 一室に 伊集院探偵事務所と 書かれた 扉の前に 制服姿の 女子高生が居た 今 まさに ドアノブに 手を掛けようとした 瞬間 扉は 無情にも 内側から 開かれた スーツ姿の 男が 中に居る 男に 会釈をして 不意に 現れた表の 女子高生にも 会釈をして ビルを 後にした 残された 女子高生が 中に居る 男に 声を掛けた 「竜! 1ヶ月ぶりに 帰って 来たと 思ったら また こんな くだらない 写真で 小銭稼ぎ? 名探偵が 聞いて 呆れるよ!」 「よく 撮れているだろ? こんな 写真が 500万だぞ」 竜と呼ばれた 男が 机の上の 黒いブリーフケースの 札束を 女子高生に 見せて 言った 「500万… 本当に… 竜… あんた… 探偵 辞めて カメラマンに 成りなよ きっと 父さんも 喜ぶから」 女子高生が 札束を 眺めながら 言った 男の名前は 伊集院竜(イジュウイン リュウ) しがない 探偵 女子高生の名前は 伊集院舞姨(イジュウイン マイ) 竜の妹 竜は 札束に 口付け 舞姨を見た
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