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竜は 8時少し前に 銀座の 高級クラブに
姿を 現した
受付の ボーイに 黒渕の 名刺を 見せると
VIPルームに 案内された
黒渕は 可憐な女に 囲まれ
上機嫌で 酒を 飲み干していた
竜が 顔を出すと
愛想良く 手招きをして 言った
「昼間 貴様から 電話が 無かったら
此処を キャンセルする つもりだったのに
残念だよ」
派手に 淋しがる ホステス達に
黒渕は ますます 調子付き
竜に グラスを 持たせ 酒を 傾けた
竜は グラスの口を 掌で塞ぐと
黒渕が 薄笑いを 浮かべ 言う
「貴様の様な クズでも
オナゴに 注いで 貰いたいのか…」
竜は 黒渕に 愛想笑いをして 言った
「仕事の 話しが 先です
女供を 片ずけろ」
黒渕が 横に居た
クラブのママらしき 女に 耳打ちをした
クラブのママが 周りの ホステス達に 目で合図を送り
女達が 席を立った
「これで 静かになった
先生 本題を…」
竜は 酒を 自分で 注ぎ
一気に飲み干し 言った
黒渕が 顔をしかめ 写真を手渡した
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