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「ねぇ」
「なに?」
問われた少年は優しく微笑む。
「"愛する"って、どういうことなの?」
笑んだ少年とは反対に、少女は真剣な眼差しで少年を見つめた。
「…また君は難しいことを聞くんだね」
「分からないの?」
「………」
「ねぇ」
「………」
「………」
「………」
「…ねぇったら!」
痺れを切らして少年の肩を揺らそうとした少女の手を、少年は非常に軽やかな動作で交わし、少女の額に笑みと口付けを落とした。
「相手のことがいっぱい好きってことだよ」
「…変な答えね」
少年は笑んだまま。納得がいかなかったのか、少女は俯いて黙り込んだ。
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