恋した瞬間

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「俺と付き合え」 「こんな私の事が本当に好きなの?」 「好きじゃなかったら付き合えなんて言わない。」 「信じられない。」 「信じろ。」 「私達は結ばれる事はないんだよ?神様には奥さんがいる。私達には未来がない。付き合って、何の意味があるの?」 「妻がいたら、結婚してたら恋愛しちゃだめなのか?」 「だめでしょ…。私は未来のない恋愛なんて、結ばれないと分かってる恋愛なんてできないよ…」 「……」 「…」 「頼む…」 「…」     重たい空気。 無言の電話口。   逃げ出したかった。 電話の無言が怖かった。   私の感情は抑えられないほどに膨れ上がった…。     「か…神様は……私の事…どれくらい本気なの!?」 「どれくらいって言われても…かなり?」 「じゃあ…私の事が好きなら…神様の今のすべてを捨てて…私の元に来れる?」 「というと?」 「今神様が持ってるもの全て、なにもかも全て捨てて私だけと未来を生きていく、それほどの覚悟が出来るくらい私の事好きなの!?」     そんな事あるわけないって分かってた。 だけど私は感情に流されてそう言ってしまった。 後先の事など何にも考えず…。     「……出来るよ。」 「……うそだぁ……っ」     私は泣いた。 感情が抑えられない。 どんどん溢れてくる。 苦しいくらいに……。
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