第一話 カツカツさん

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研究室は二重扉になっている。   窓も鉄柵が付くほど厳重。  だから、外の扉を占めちゃえば、まず外界からの侵入は泥棒でもない限り不可能。   外は時間制で警備員がまわってるし。   だから、研究室と研究室の間にある廊下に足音が聞こえるのは不審な話しとしかいえなかった…   でも…聞こえる。 それも、空耳とかじゃなくて何人も聞いていた。 だから、夜中の研究室に一人で残るとか、よっぽどの人でも怖くてできなかった。   想像してみて、真夜中に一人、静かな博物館や図書館にいるのを。 いないはずの足音が聞こえるのを…
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