prologue~月のない夜~

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モラトリアム・・・日本では執行猶予や債務者の支払いを延期する事などの経済用語として使用されている しかし元々の語源はラテン語でモラ・・・遅延するなどの意味をもっている そこからどう繋がるかというとモラトリアムは爆発地点から半径1メートル範囲を円上にいかなる物も破壊する仕組みになっている更に爆発時には激しい光と音を伴う 勿論対人間でも有効で一瞬にして塵一つ残さず消し飛ばされるだろう しかし彼らはモラトリアムを“通常”対人間には使用しない そんな事をしなくても銃があるし隠密行動が基本な彼らがわざわざ騒ぎを大きくする事はあり得ないのだ では何のために使う・・・ 答えは簡単だ、先程の宵が良い例だろう・・・目標物の破壊・・・敵に囲まれた緊急時に爆発の際に伴う光と音で一瞬にして相手を無力化 つまり敵の思惑や行動をモラさせるのだ・・・ 「相変わらず良い腕をしている・・・報告によると双方の組織を合わせて50人以上はいたはずだ・・・それをたったの手榴弾一つで死亡者0軽傷者15人・・・並みの警察の機動隊だったらかなりの惨事になっていただろう・・・うむ・・・見事だ」
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