prologue~月のない夜~

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総理は感心した声色をしながらも何かを考えている表情をする しかし俺は何の事かすぐにピンときた・・・ 「・・・確かにあの量の麻薬に対し小脇に抱えられるアタッシュケース1つでははおかしい・・・麻薬500㎏×2ケース・・・末端価格にして約600億・・・何故1tにものぼる異常な量を一度で運ぶ?・・・普通この様な取引はアシが付かないように少人数で行うものだ・・・50人以上の大人数(おおにんずう)ではまるで見つけろと言っているも同じ・・・」 表情を変えず呟くように俺は疑問点だけを整理していく・・・ 「フム・・・やはり君もそう思うか・・・どうやら徹底的に調査をしないといけないようだ」 総理はそう疲れを吐き出すように言いながら椅子に深く座り直す・・・ 「・・・俺が動くか・・・」 「調査だけなら君がわざわざ動く必要もあるまい、今日は下がっていい。何かあるようならおって連絡する。」 「・・・了解した・・・」 そして彼は静かに退出した・・・ ~数日後~ それは夕刻・・・西日がさす黄昏時・・・俺は自宅のマンションの一室でこの所のAMCの出動記録に目を通していた時だった・・・trrrr・・・trrrr・・・突然、仕事用の携帯電話が電子音を鳴らし俺を呼び出す・・・
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