prologue~月のない夜~

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シルエットの傍ら(かたわら)には複数のスーツを着た男達が倒れている。 どうやら見張り番をしていた者らしい。 そのシルエットが一歩踏みだすと黒い短髪に黒いサングラス黒いコートを着た男が姿をあらわした。 突然の事で倉庫内にいる男達は唖然としている。 しかし数秒後我(われ)を取り戻した男達は灰色のスーツを着た暴力団の幹部と思わしきガタいの良い男の指示でコートの男に向かって行った。 しかしコートの男は慌てるどころかゆったりとした動作でコートの中からスーパーボールより一回り大きい位の黒い球体の物体を取り出し投げた。 その刹那激しい爆裂音と共に白光そして煙が倉庫内を襲う。 光は数秒間残り消えたかと思うと今度は全く種類が違う光が倉庫を包む、淡く揺れるオレンジ色をした熱気がともった物が・・・・・・ そう燃えているのだブローカー達の後ろに積まれていた麻薬が・・・・・・ しかしその状況をまともに理解出来る者はいなかった。 いや、そもそも理解できるはずがなかった。 男達は先程の攻撃のせいで三半規管のほとんど、視覚と聴覚を奪われパニック状態になっているのだから。
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