prologue~月のない夜~

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俺は今、追っ手をまいて 走っている。 闇に身を隠し時には街灯の無い道を時には建物の屋根を跳ぶ。 奴らの予想が出来ないルートを走る。 自分の属している組織との合流地点に向け・・・ しばらく走ると合流地点の人気(ひとけ)が全く無い湾岸にでた。 念のため誰かいないかサングラス越しに気配を探る。 彼の掛けている黒いサングラスは只のサングラスではない。 勿論表情を隠すという理由もあるがこのサングラスは少しの光を媒体に昼間と同じような視界を獲得出来る暗視スコープと物体が放つ遠赤外線を熱分布に変換し視覚化するサーモグラフィーの機能“など”が搭載されている。 こうする事でミッションに対するリスクの軽減をしているのだ。 「・・・異常無し・・・」 すると比較的近い場所と思われる空からヘリの音が聞こえてきた。 それと同時に俺は腕時計に目をやるAM1:30腕時計は無機質な光を伴いながらそうデジタル表記で表示していた。 ~~本部~~ 「・・・No.7、宵(しょう)・・・帰還した・・・」
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