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『あっ!!』と自分は叫んでしまった。声を出すつもりは無かったがこんな光景はあまりにもあり得ない様な事だったからだ。『なんだこれ?今まで無かったのに…』思わず言葉が出た。そこには今まで無かった霧がかかっている。明け方なら分かる気もするが今は昼間だ。大体ガラス戸から4~5メートル先の木の1本も見えないくらい濃い霧だ。その日の天気予報では今日は晴天だと言っていたが霧が出るなど一言も言ってない事を思い出す。ハッと我にかえった。何となく胸騒ぎをした自分はガラス戸から出てかろうじて足元が見える所にサンダルを見つけた。いくら自分の家の庭だからと言ってここまで霧が出てると足元がほとんど見えないのは恐い。ましてや目の前など霧の白くもやがかかっているの他に何にも見えない。足元のサンダルを履きミーを探す。『ミー!!』呼んだ所で返事はない。自分はネコを探すと思う事とこんなに霧が深いのに多少興味があった。一歩一歩歩く足は歩幅が小さい。そろそろ倉庫辺りだろう。今の家を建てる前はそこに住んでいて新しい家を建てた後は倉庫として使っている。霧が深いせいか建物がある気配はしない。ちょっとだけ船酔いに近いめまいがする。回りの物との遠近間がつかめないからだろう。道路の方まで出るか。と思い、また一歩ずつ小幅で歩く。倉庫から道路まで20メートル程だろうか、えらく長いような気がする。「ニャー」と聞こえた。10メートル程進む。「ニャー」先程より近い所でネコが鳴く声がした。ネコを呼ぶ。『ミ…』その瞬間物凄い風が吹く。思わず言葉がつまる。なぜなら仔猫ぐらいが飛んで行きそうな位強い風だからだ。自分は目も開けられず膝を着き腰を落とし片手も着く。多分5秒ほど吹き続けたのだろうか自分はもっと長く吹き続けたような気がした。その間ネコは飛ばされていないかと心配だったからだ。……続
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