1.仲森知景①

10/21
前へ
/405ページ
次へ
  「君はこの状況をどう思うかね?」 突然変わった口調に「あぁ、またか」と溜息を吐きながら答える。 「この状況、ですか?」 真下にある織葉の顔を見ながら続ける。 「織葉さんから逃げようとして椅子ごと倒れた俺と、それに巻き込まれた織葉さん」 じぃっと見上げる織葉の口端が歪む。 顔の左側だけで嗤う。 コチラが本来の織葉の笑い方だ。 「果たしてそうだろうか?」 「は?」 楽しそうに嗤う織葉の顔を不審気に見下ろす。 「あくまでもそれは仲森知景、キミの主観だよ」 _
/405ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加