無駄な頑張りと欲の無さ

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とにかく俺は急いだ。 いつの間にか着替え終わっていた悠李がベッドに腰掛けてこちらを見ているからというのも原因の一つ。 でもやっぱり、人は待たせるものでは無いから…出来るだけ片付けを早く終わらせて、着替えに取り掛かった。 ブレザーを脱ぎ、シャツの前を開けた瞬間…悠李が口を開いた。 「うわ、何そのナヨっちい身体。七瀬のがまだ筋肉あるぞ。」 『う、五月蠅いな…気にしてんだから言うなよ。』 気にしていたことを躊躇いも無く言われ、何だかこちらが恥ずかしくなった。 慌てて服を着て着替えを終えると、悠李は立ち上がって俺の手を優しく掴んだ。 …意外と、体温が心地良い。 「悪い悪い。じゃ、行くか。思ってたより早く片付け終わったから、生徒会メンバーに顔合わせしてやるよ。」 くしゃ、と頭を撫でられ、今までとは違う温和な笑みを向けられた俺は 今まで散々悠李を嫌がっていた気持ちを、どこかへ吹き飛ばしてしまっていた。
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