無駄な頑張りと欲の無さ

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「会長達の部屋は、寮の最上階なんだ。」 エレベーターに乗り込んだ俺達。さっきとは違うカードを取り出した悠李は、それをボタンの上部にある黒い箇所に当てた。 カードには、"student council"と書いてある。 どうやら生徒会という意味らしい…俺は生粋の日本人で英語は苦手だけど、なんとなく解った。 そうこうしているうちに、最上階…つまり9階へと着いた。 エレベーターの扉が開くと、レッドカーペットの敷かれた廊下が目についた。 …やっぱり、寮なんかの何処に金を掛ける必要があるのかが俺には理解出来ない。 呆れ気味の俺を引っ張って歩き出す悠李。 一番奥から2番目の部屋の前に着くと、足を止めた。 ゆっくりと悠李が扉を叩く。 「会長、入るよ。」 ガチャリ。新鮮な金属音が音を立ててノブが回された事を知らされる。 悠李はソッと扉を押して、部屋の内部を視界に移した。
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