第六章 俺の戦い

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ふらりふらりと足を運ぶリーリア。   彼女の目指す場所は、医務室だった。   「猟斗ぉ……猟斗ぉ……」   それは、すがりつくように、助けを求めるように呟かれる。   猟斗の名前を繰り返しに口からこぼしながら、リーリアは誰もいない医務室の前に辿り着いた。         ――その頃医務室内では。     「っつぅ……。ここは……?」   漸く目を覚ました猟斗は、その長い眠りの反動の頭痛と眠気に悩まされていた。   それに加え、体の節々が鈍痛を放つ。   彼はそんな中で、寝た状態で見れる範囲を見渡す。   自分が寝ているのはベッド。鼻につく消毒液のような匂い。   それらの情報から、彼は自分がどこかの病院か何かにいるのだろうと考える。   そして、今の時間を壁に掛かっていた時計で確認する。   そんな時、医務室のドアが開かれる音を、猟斗は聞き逃さなかった。   (こんな時間に、誰だ?)   そう思いながらも、彼は重い体を起こさず、再び寝ようかとも考える。   「猟斗ぉ……猟斗ぉ……」   その中で聞こえた、消え入りそうなリーリアの声が、猟斗の目を覚まさせた。   「リーリ……ア?」   「猟斗……!!」   思わず呟いた彼女の名前に反応したように、リーリアは猟斗の寝ているベッドにふらりふらりと歩み寄る。   猟斗は節々の鈍痛に堪えながら身を起こし、暗がりの中で彼女を見た。   今にも崩れてしまいそうな、そんなリーリアの様子に猟斗は驚かされる。   そして、彼女がベッドの横に辿り着いた時。   リーリアは、猟斗の顔を見詰めて黙ってしまった。
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