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「猟斗は……私の事。好き?」
「っ!!?」
いきなりの、予想外の質問だった。
猟斗はその言葉に驚かされ、顔を赤面させる。
リーリアは、その反応が面白かったのかクスクスと笑った。
「ふふふ、猟斗の顔。真っ赤。可愛い……」
「リーリア、からかうな!」
彼女の言葉に、猟斗は頬に触れられているリーリアの手を振り払い、俯く。
しかし、リーリアは無理やり猟斗の顔を両手で上げさせ、自らの顔を近付けた。
「別に……からかってないもん」
「リーリア……?お前、何かおかしいぞ?」
「私は……猟斗の事。好き。友達としてじゃなくて。仲間としてじゃなくて。一人の女の子として、猟斗の事。好き」
猟斗の言葉を遮るように、まるで自分に言い聞かせるように、リーリアは彼に、告白をする。
そして、その唇を猟斗の唇に近付けようとした瞬間。
――猟斗は、リーリアを突き飛ばした。
「きゃっ!」
「馬鹿言ってんじゃねぇぞ……」
しりもちを着いたリーリアに、猟斗は歯軋りをした後、吐き出すように呟いた。
「どうして?どうして?私は猟斗の事――」
「リーリア。嘘ついてんじゃねえ!!!」
リーリアの言葉を遮り、怒号を上げる猟斗。
全身に痛みを感じながら、彼はベッドから降りてリーリアの胸倉を掴む。
「俺の事が好きならな。何でそんな体震えてんだよ。何でそんな泣きそうな面してんだよ……」
「そ……それは、今猟斗が……」
「いいや、違うね。お前は、ずっと震えてた。ずっと泣きそうな面してた」
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