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猟斗の言葉に、リーリアは押し黙る。
彼はその様子に、ばつが悪そうに舌打ちをして掴む手を解放した。
腰が抜けていたのか、リーリアはその場に座り込む。
「リーリア。何があったかはわからねぇけどさ。そんな自分を責めんなよ」
猟斗は悪かった、と悪びれた様子で言葉に付け足す。
リーリアはそれでも押し黙ったままで、猟斗はベッドに座ってその様子を見ていた。
「……そうだ、リーリア。さっきの質問の答えだけどよ」
しばらくの沈黙の後、猟斗は思い出したようにリーリアに言葉を掛ける。
その内容が気になったのか、彼女は一瞬反応を見せた。
「俺は……」
その先、猟斗は何を言って良いのかわからなかった。
ただ自分の想いを吐き出せばいい。
だけど、それは今素直に言っていいものかと悩んだ。
しかし、猟斗は口にする。
自らの想いを吐き出す。
「リーリアのこと、好きだ。ただし、仲間としてな」
「そっ……か」
猟斗の言葉に、リーリアは力無く答える。
「……ここからは独り言だ。リーリアは何も聞いていない。聞こえてない。オーケー?」
「…………うん」
そして、そのまま続けざまに言った彼の言葉に、疑問を覚えながらもリーリアは首を縦に振る。
ここから、猟斗は想いの全てをリーリアに伝える事にした。
独り言と言ったのは、ただ恥ずかしかったからである。
猟斗は咳払いをすると、盛大な独り言を始めた。
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