第六章 俺の戦い

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猟斗はそう言うと、制止しようとする男性の言葉を無視して歩き出す。   向かうは野次馬の方向。   「はーはっはっは!この程度か!」   「がっ!くは……」   「流石は兄貴!」   どうやら喧嘩は終わったなようで、大男は高らかに笑い、青年は床で腹を抱えうずくまっていた。   「俺に勝てる奴はいねえのか!まあ、ここにゃあもういないだろうがな!」   「よっ!兄貴!レムリア一の拳法家!!」   大男がそう言うと、野次馬が歓声を上げ、ネズミのようなひょろい男がはやし立てる。   そんな中で、猟斗はニヤリと笑い、足に魔力を溜めて大きく跳躍した。   「随分楽しそうなことやってんじゃねえか!!ええ!?」   野次馬を飛び越え、中心にいる大男の前に移動しながら猟斗は言い放つ。   「だけどな、ここでやるには――」   「迷惑してる人もいるのよ!やめなさい!!」   「なっ、俺の台詞!……って、お前」   猟斗が言葉を言おうとした瞬間、メガネをかけた金髪のウェイトレスがそう言いながら猟斗の隣に飛び込んでくる。   彼はそれに文句を言おうとしたが、彼女の正体を知り、言うのを止めた。   「へっ……?猟斗……?」   「気付いてなかったのかよ……」   やはり、彼女はヴァルキリーだったようだ。   猟斗は彼女の言葉に、呆れながらも確信する。   「てめえら、文句あるなら堂々と言いやがれ!」   「あ、兄貴……この男は……」   無視されていた事に腹を立てたのか、大男は猟斗に向けて拳を振り上げる。   そんな中で、ネズミのようなひょろい男が猟斗を見て震えながら彼に言った。   「あ?ああ。懐かしいじゃねぇか。あん時の小僧か」   「おうおう、覚えてたなら話しは早い。てめえら、さっさと酒場から出ていきやがれ。迷惑がってる奴もいんだからよ」   「猟斗……」   大男の言葉に、猟斗は腕を組みながら睨み付け、言い放つ。   ヴァルキリーはそれが意外だったらしく、小さく彼の名前を呟いた。   「んだと!?だったら俺様を倒して、無理やりにでも放り出すんだな!!」   「言われなくても、その気なら俺は喧嘩買ってやるぜ……!!」   「ちょっ!猟斗!」
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