第六章 俺の戦い

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それから時間が進み、酒場が閉店した後。   ヴァルキリーと猟斗はレジスタンスの拠点への帰路を歩いていた。   その途中、猟斗はヴァルキリーから何故あの酒場で働いていたのかを聞く。   まず、あの場所は前回の執行者との戦いで参加していた一人で、ヴァルキリーや父親のナシムと仲が良く、度々足を運んでいたらしい。   そこで、たまたま出くわした主人に酒場を手伝ってくれと頼まれた。   それが事の理由だと、彼女は言った。   「だったら連絡しろよ。リーリア達も心配してたんだぜ?」   「ごめんね。でも……あの時はちょっとね」   猟斗の言葉に、ヴァルキリーは苦笑しながら返す。   そのまま言葉を綴ると、彼女はそれをしようと思った出来事を思い出していた。   それは、セリアに言われた言葉。     「あなたは弱すぎるのよ。私達と来て、もしもの時私達を守れる自信があるの?」   「もちろんありますよ。ちゃんと覚醒のコントロールだってできるんですから」   公園で、ヴァルキリーが連れて行ってと頼んだ時。   セリアは真剣な眼差しで、そう尋ねた。   ヴァルキリーはそれに当然と強気に返したが、セリアは表情を崩す事なく、更に口を動かした。   「だったら。そうね。『真醒』をしてくる相手だったら……どうする?」   「真……醒……?」   ヴァルキリーは、そのワードに耳を疑った。   「覚醒のその上をいく完全なる、覚醒能力。それを相手に、あなたは私達を守れるの?」   真醒。ヴァルキリーはそのワードを何回か聞いただけで、実際は見たことがない。   しかし、一度だけ。   前回の戦争で、元執行者幹部。その倒した執行者六亡星が内の一人が、真醒を発動したその跡を彼女は見たことがあった。   草木、建物、死体。全てが無く、平地となった戦場。   ナシムとアルバスが率いていた部隊を、危うく全滅にする直前まで追い込んだ力。   「私達ね……。一度、真醒を使う相手と戦ったのよ。それも、わざわざ私達を狙いに来た奴とね」   セリアの言葉に、ヴァルキリーは驚愕させられる。   「つまり。あなたが私達に着いて来るのは、自ら死地に飛び込むようなもんなのよ」   「それでも!」   「あなた。やっぱり自分が勇者の娘だって事の意味。わかってない」
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