第七章 猟斗と一緒

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「はいっ?」   「聞こえなかった?あんたはね。私のパートナー役になったの」   法術都市レムリア、そこのレジスタンスの拠点。その地下は広く、百以上の部屋が存在する。   その部屋の中には、派遣されてきたレジスタンスの隊員やらが寝泊まりするための寮エリアがあり、猟斗は一時的にその部屋の一つに住んでいた。   そして今。いきなり部屋に押し入り、言葉を放ったヴァルキリーは良い笑顔を浮かべ。横になり頬杖をしていた猟斗は呆け、彼女の放った言葉の内容に耳を疑っていた。   「えぇと?待て。いきなり過ぎて話がわけわからん。もう一回頼む」   「だぁかぁら!私の次の仕事のパートナーが、あんたに決まったの!」   頬杖をついていた体勢から立て直し、あぐらを組んで座る猟斗は、額に左手を当てながら再び聞き直す。   それでも、嬉しそうな笑顔を浮かべたヴァルキリーは猟斗の頼みに応え、もう一度自分の言葉の内容を言った。   「な…………なんだってぇぇぇえ!?」   「なんでそんなに驚いてるのよ!」   彼女の言った内容をようやく理解した猟斗は、大声で叫び驚愕する。   その反応が不服だったのか、ヴァルキリーは片眉を吊り上げ、不満を口にした。   「いや、だってよ。リーリアもフレイヤも別の部隊だろ?俺だって、最初はまさかお前と一緒の部隊になるなんてと驚いてたわけよ」   何に対しての言い訳か弁舌か。猟斗は独り言のようにぶつくさと話しを始める。   「そんな中でだ。……いきなりお前とパートナーだぁ!?何も聞かされてなかった俺からすれば、叫びたくもなるっつぅの!!」   「何よ。不服なの?」   「はぁ……。別にそういうわけじゃなくてな」   猟斗の弁舌に、ヴァルキリーは先程とは打って変わって不機嫌そうな表情で尋ねる。   彼はそれに、肩を竦めながら溜め息を吐き、言い返す。   「何で俺とお前のコンビなのか。それを聞きたいわけよ」   猟斗はそう言って立ち上がり、あくびをしながらヴァルキリーに歩み寄った。
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