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猟斗達が出発した法術都市レムリアから、中央都市ミッドガルドへは馬車で約一週間かかる。
道のりは険しく、レムリア平原を抜け、その先にある森林を走り、山岳部に造られたトンネルを抜けなければならない。
街の外は地域にもよるが魔物が闊歩しているし、それだけではなく盗賊などの輩もいるのだ。
故に、馬車での移動時、油断は大敵なのである。
そして、猟斗達が出発してから三日が経った頃。
彼らに事件が起きた。
「見事に囲まれたわね」
「ったく、面倒な事してくれやがる……!!」
ヴァルキリーと猟斗は、互いに背を合わせ己が武器を構えながら呟く。
二人は苛立っており、ヴァルキリーは眉をひくつかせ、猟斗は眉間にしわを寄せていた。
彼らは、盗賊らしき人間達に包囲されている。
数は約十五人。
彼らに操者と馬は殺され、馬車は破壊されていた。
「私が居ながら……最悪ね……」
「この状況、どうやって打破するか」
武器を構えたまま、ヴァルキリーは悔しそうに言葉を放って歯軋りをする。
そんな中、猟斗は呼吸を整えながら彼女に尋ねた。
「勿論、アレしかないわ。平和的には無理」
「話し通じそうにないもんな。了解」
問いに答えるヴァルキリーの後に、猟斗は魔力を集中させながら返す。
「久々の獲物だ!しくじんじゃないぞ!!」
そんな中で、敵のリーダー格らしき、体つきが良く刀を構えた男が叫ぶ。
それに呼応するが如く、彼以外の人間達は雄叫びのように吼えた。
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