第七章 猟斗と一緒

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「いちにのさんでいいわね」   「任せろ」   志気の上がっている敵を気にする様子もなく、ヴァルキリーは指示を出す。   猟斗はそれを快く了承すると、魔剣・ストライクリレイピアを握る力を強くした。   「いちにの……さん!」   「光よ。古より存在する力よ。閃光と成りて、敵を討て!」   ヴァルキリーの合図に、猟斗が法術の詠唱を始める。   右手に展開した魔法陣を地に向け、やがてそれが輝きを放ち始めた。   ヴァルキリーはそれと同時に猟斗とは反対の方向の敵へと切りかかりに行く。   「先制攻撃とさせてもらうぜ。セイグリッドニードル!!」 猟斗が法術の名を叫んだ事により、術が完成する。   次の瞬間。猟斗の展開していた魔法陣が弾け、彼が向いている方向の敵に、小さくも大量の光の針が飛び出して行った。   これを防御する者もいれば、間に合わず直撃する者もいる。   結果、減らせた人数は一人だけだった。   「魔剣技――!」   「うぉぉぉぉお!!」   しかし、これは彼にとって牽制の一手。   その後、彼は続けてストライクリレイピアの刃を地面に強く突き刺す。   猟斗は一言、そう呟くと魔力を開放した。   すると、地面が数ヶ所光を放ち始める。   しかしそれを気にする事もなく、敵はがむしゃらに突っ込んで来た。   「グレイヴエッヂ!!」   猟斗が技を発動した瞬間、光を放っていた地面から突如としてまるで刃のような、魔力で固められた土が飛び出す。   彼のタイミングと読みがバッチリだったのか、それにより三人程致命傷を受ける事となった。
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