第七章 猟斗と一緒

9/43
前へ
/339ページ
次へ
「淡い雷敵を射て、迸る閃光駆け抜けよ」   その頃、ヴァルキリーは一人で五人を相手にしていた。   迫り来る攻撃を、ものの見事に回避する彼女は、魔剣・ブレイブブレイドに魔力を込めながら詠唱をする。 その最中、ヴァルキリーは肩の力を抜き、相手を見据えた。   「死ねぇぇぇぇえ!!」   その中で、敵の一人が両手に持ったダガーを構え走り込んで来る。   しかし、ヴァルキリーはそれにも動じず武器を振り上げ、一歩前に足を踏み出した。   「猛る稲妻、焼き払え!魔剣技!ライトニングブレード!!」   詠唱を終えると同時に、ヴァルキリーの振り上げていたブレイブブレイドに稲妻が走り始める。   そして彼女がそれを振り下ろすと、刃の延長となった雷が敵に襲いかかった。   まず、ヴァルキリーに向かって走り込んで来ていた敵はそれに巻き込まれ、逃げ遅れたらしい二人の敵が感電する。   「逃がさない。雷来召喚、神の槍!」   残りの敵を倒すため、ヴァルキリーは左手を掲げ、空に魔法陣を展開する。   二方向にライトニングブレードを避けた残りの敵二人はそれに気付き、挟み撃ちといった感じでヴァルキリーを止めに掛かってきた。   しかし、ヴァルキリーの詠唱は速かった。   「唸れ天災、砕けよ大地。我が御名の下、敵を貫き焼き払え!サンダージャベリン!!」   ヴァルキリーが詠唱を終えた瞬間、空に展開していた魔法陣が輝きと稲妻を放つ。   そして、その稲妻が二本の槍を象り形成すると、彼女を襲おうとしていた二人へと飛んでいった。   高速で飛んで行くそれに、呆気なく二人は貫かれる。   そして、ヴァルキリーは自分が担当する敵を、全滅したのであった。
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

356人が本棚に入れています
本棚に追加