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「おせーじゃねぇか!!ええ!?カイザーよぉぉお!!」
大講堂に入ってカイザーを迎えたのは、機械で出来た義腕を右腕に付けた短く切られた金髪の男の声だった。
顔の右側の端にも、機械が取り付けられている。
それは首にも伸び、服に隠れているがどうやら右腕に繋がっているようだ。
男の名はブレイズ・ガバディア。
アルバスとの戦いで、右腕を切り落とされ、半身サイボーグとなった男だ。
「遅いと言っても、まだ時間にはなってませんよ」
「あら、それでもあなたが最後ですわよ。カイザード・ディスタリメント」
ブレイズへの反論をしたカイザーは、その隣の席に座る右目に眼帯をした、美しい銀髪の女性に咎められる。
薄く引かれたアイラインに、紅の口紅が塗られた唇。
腕を組んで座る女性は、薄ら笑いを浮かべながらカイザーを見ていた。
「……それは悪かったねレイラ。僕の席はどこだい?」
「あちらの奥ですわ。それにしても、この時ぐらいは兜を取りません?」
「悪いけど、それはなしだ」
カイザーの問いに、レイラ・アシュケントは素直に答える。
その後続けた彼女の問いに、カイザーは淡々とした口調で断った。
そして彼は、自分に用意されたらしい席に向かって、歩き出す。
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