序章 十二真皇神也

5/6
356人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
「まぁよいではないかカイル・アーバイン。これは、皆が待ち望んでいた事だ」   少年、カイル・アーバインに、男はそう言って治める。   その放った言葉に、ブレイズは興奮した口調で声を上げた。   「じゃあ、ようやくアレをやるんだなぁぁぁあ!!?」   「うるさい……」   「んだと……クルツゥ!!」   ブレイズの声に、氷のような透明感のある白髪を持った青年が、静かな口調で言い放つ。   ブレイズがクルツと呼んだ青年は、彼の暴言を気にする事なく、瞳を閉じてそっぽを向いた。   「まぁ落ち着けブレイズ。この作戦は、Dr.マハジャが発表してくれる。頼むぞ」   男の言葉に、指名された初老の、白衣を着てゴム手袋を付け、メガネをかけたオールバックの男が立ち上がる。   Dr.マハジャ、この十二真皇神が誇る天才科学者だ。   「くぉぉぉぉん回の作戦はぁぁぁあ!!このっ!一億飛んで三千と三百年に一度の大・天・才!!の私、Dr.マハジャめが考案させて頂きましたぁぁあ!!」   「出たな気違いクソジジイ……!!」   マハジャの名乗りに、燈谷は顔を引き吊りながら毒を吐く。   その場にいたほとんどの者が彼に呆れ、マハジャはそんな中でも高々と笑い声を上げていた。   「Dr.…………。早めに作戦を頼む」   「む、分かりました。では、只今より私が考えた作戦を書いたプリントを配るので!目を通しなさぁぁぁぁい!!ポチッとな」   王座のような椅子に座る男の言葉に、マハジャは叫びながらどこから取り出したのか、プリントを大量に腕が取り付けられたマジックハンドを使って配り出す。   そして、それを全員が受け取ると、マハジャは再び叫びながら作戦の説明を始めるのであった。
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!