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ビー玉
小さい頃、夏休みに1ヶ月ほど田舎の祖父母の所に預けられた事がある。我侭いっぱいに育った俺は、近所の子供達に受け入れられるはずもなく、いつも一人、河原で遊んでいた。そんな俺にも友達ができた。そいつも友達がいないようで、いつも一人だった。そいつはいつでもにこにことしていて、俺の益体も無い自慢話や、偉そうな態度に「うわー、君って凄いんだ~」とか、「わー、かっこいいなー」とかの賛辞を惜しまない。俺もちょっと子分ができたようで、嬉しかった。何にでもすぐ感心してしまうそいつは、俺が東京から持ってきたおもちゃに目を丸くしていた。「今日は特別に貸してやるからな、好きなので遊べよ」意外な事に、そいつが選んだのはビー玉だった。「おいおい、ラジコンとか合体ロボとかあるんだからさ、それで遊ぼうぜ」「うん…でも、これ、とってもきれいだよ…」そう言ってそいつは、ビー玉を日にかざして、うっとりしていた。
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