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ビー玉も買ってもらえないのだろうか。俺はそのことが哀れに思われた。「…そんなに気にいったんなら、やろうか?それ」「!!いいの?!ホント?ありがとう!大事にするよ!君って本当にいい人だね!」ビー玉如きで…という思いはあったが、何となくいい事をしたような気がして、俺はちょっぴり嬉しくなった。数日後、そいつは変な事を言い出した。「はぁ、ビー玉作るのって難しいねえ」「何?」「ほら、君がくれたやつだよ。君が作ったんだろ?」ぐっとつまったが、さんざん偉そうな事を言っていたので、今更後へは引けず「そうさ、俺が作ったのさ。まあ、ちょっとコツがいるかな」「ボクが作ると最初は綺麗なのに、そのうち、ちっちゃくなっちゃうんだ。ねぇ、コツを教えてくれないかなあ」???な、何か考えないと…「そ、そうだな…全部教えちゃうとお前の為にならないから、ヒントだけな…え~と…そう、水分。水分をあたえないと。ま、言えるのはこれだけだな」汗をかきながら俺が言うと、そいつは腕をくんで考え始めた。「う~ん、ボク、君みたいに頭よくないから、難しいなあ。でも、後は自分で考えてみるね!ありがとう!」それからしばらくして、俺は東京に戻る事になった。そいつにその事を告げると、はらはらと泣きじゃくった。「せっかくいい友達が出来たのに…君がいなくなると、つまんないよ」「まあ、そう泣くな。また来年来るからさ」「…うん!淋しいけど、我慢するね!…あっ、そうだ、もうすぐあれ、出来そうなんだ。明日君が出発するまでに作るから、お土産にあげるね」「何?」「イヤだなあ、ビー玉だよ!君のヒント難しいから、苦労しちゃったよ。
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