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「………ざけんなこの野郎!!無事に帰れると思うなよゴラァ!!」
西島は今にも襲い掛かって行きそうな形相だ。
「あっはっはっは!そんなに怒るなよ、ちょっとからかっただけだから、ね。」
この上無い程に心がこもっていない謝罪に、もはや西島の理性は抑制力を失ってしまった。
「上等だらぁ!今すぐ勝負しろ!!」
暴走しそうな西島を何人かの道場生が止めに入る。
それを見て、銀髪がニヤリと笑って言った。
「別にいいじゃん。スパーリング位ならやってあげるけど?」
銀髪が全く悪びれずに上着を脱ぎ、タンクトップ一枚になる。
「おもしれぇ…今すぐヤルぞ!」
今まではめていたボクシンググローブからオープンフィンガーグローブに
変えようとしたが、それを銀髪が制止した。
「おいおい、アンタと総合やって何の意味があるんだよ。
一応ボクシングの元世界王者ならボクシングで相手しなよ。」
さすがの西島も呆気にとられる…。
「……は?…ククッ、馬鹿かお前?ボクシングで俺の相手になる訳ねーだろが。」
「さぁ?そう思わないから言ってんだけどね…やるの?やらないの?」
しばし唖然としていたが…
「…上等だ。泣き見せてやるよ…。」
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