衝撃のスパーリング

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『宮沢道場』 宮沢公治が経営し、未来のMAMファイターはもちろん、現在MAMで活躍する選手も多数練習に訪れる。 「シュッ、シュシュッ…」 中でも、一際派手にサンドバッグを揺らしている選手がいた。 『西島 祥彦(ニシジマ ヨシヒコ)』 ボクシング元ミドル級王者の肩書でMAMに転向。 そのパンチの技術は全世界の総合の中でもピカ一。 グラウンドになった時の対処方を磨けば、今後の活躍が期待される選手である。 「銀髪の男。あれはボクシングの技術だ。 キラーが無防備に突っ込んでいったからといえ、アッパーでカウンターを取るなんて、相当練習した上であの状況をシュミレーションしてなけりゃ出来ない。 …つまり、シュミレーションさえできてりゃ俺にも出来たっつー事だ!」 西島がさらにラッシュの回転を上げる。 凄まじいスピードに、道場全体が呆気にとられている。 その時、唐突に道場のドアが開いた。 「ごめん下さ~い。宮沢さんいますか?」 西島も含め、道場生達が振り返る。 そこには、『あの』銀髪の男が立っていた。
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