衝撃のスパーリング

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本人は気が付いていなかったが、焦りと苛立ちからか、西島のリズムが一定になっているのを銀髪は見逃さなかった。 西島にしてみれば、まさかジャブにカウンターをとられるとは思っていなかったのだ。 「さあ、ドンドン行くよ!」 銀髪が先程の西島の台詞をそのままに、次々とジャブを放つ。 (…ッ早い!) そのジャブは自分のものより、明らかに早く、そして鋭いかった。 徐々にに西島の鼻頭が赤くなっていく。 (クソッ!だが、奴もいずれ大きいのを狙ってくる…カウンターで迎撃してやる!!) 西島の思惑を知ってか知らずか、まさに銀髪がストレートのモーションに入ったのを西島は確認した。 (来たッ!!) 西島にはその瞬間がスローモーションのように見えた。 左肩が小さく振りかぶり、拳がこちらに向かって飛んでくる… それにカウンターを合わせるハズが、その拳は真っ直ぐ自分に近づいて来て………。 意識が戻った時、西島は道場生に抱き抱えられていた…。 「なっ…!まだだ!俺はまだやれるぞ!」 だが、言葉とは裏腹に、身体は言う事をきいてくれなかった。
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