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銀髪と西島のスパーが終わっても、道場内の興奮は収まっていなかった。
西島の打撃のみの強さは、誰もが知っている。
しかし、銀髪は、その西島を打撃のみで一蹴してみせたのだ。
『この男は本物だ…。』
道場にいる全ての人がそう感じていたのだ。
「…さてと、宮沢さん。そろそろいいですか?」
一斉にドアの方へ視線が集中する。
そこには、宮沢が立っていた…。
正確には、スパーが始まった直後から、スパーの成り行きを見ていたのだった。
「で、どうでしたか?『今度』はゆっくり見れました?」
宮沢は厳しい表情のまま、銀髪に近付いて行く。
「…もしやとは思っていたが…自分からやってくるとは。手間が省けたよ。」
宮沢が笑みを浮かべる。
「さて、こちらも君に話しがある…。君のおかげで、昨日の興行が台なしにされたんだ。
君には、私の話しを聞く権利がある…だろ?」
しばし視線が交差する。
「いいですよ。こっちも話しがあるから来た訳だし。んじゃ、行きましょうか。」
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