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宮沢道場~オーナールーム~
宮沢と銀髪がソファーに向かいあっている。
「さてと…まず君の話しを聞こう。我々の話しはそれからでも遅くはない。」
宮沢は煙草に火を着けながら話し始める。
宮沢の本心は、絶対に銀髪を自分のものにしたいのだ。
だからと言って、『下手』に出るつもりはない。
あくまでビジネスとして、自分の団体に参戦させるのが目的でもある。
銀髪も、宮沢の出方を予想していたようにリラックスしていた。
「…OK。なら結論から言いますか。」
冷静な顔をしているが、宮沢は内心緊張していた。
銀髪の目的がまだハッキリとしていないのだから。
最悪のケース・銀髪が既に他団体に所属し、昨日の出来事が、その所属団体の売名行為だったとしたら……自分が抱いた期待が脆くも崩れ去った上に、彼を全力で潰しにかからなければならなくなるのだ。
だから、宮沢はまず、銀髪の目的を知ろうとしているのだ。
「結論から言うと……俺をこのリングで闘わせて下さい。」
宮沢の表情が緩みそうになる。
(まだだ!もう少し話しを聞かなければ…!)
今にも崩れそうな表情で聞き返す。
「…ほぅ。何故だ?何故あんな事までしてウチで闘いたい?」
「あれ?盛り上がると思ってやったんだけど…余計なお世話でした?」
その様は、昨日の事に関して全く悪びれる様子もないどころか、逆に堂々と自分のした事に自信を持っているようであった。
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